前には光があったか、後ろにはあったか。小学生の時に、カーテンの隙間から差し込んできた朝焼けの光は強烈に私の脳裏に焼き付けられた。絵本を読みながら光を受けた。絵本には虹色の魚が大きく描かれたそれは美しい絵本だった。虹色のキラキラとした魚の背景には、強い朝焼けの光が。その二つが重なり合うことにより、私の脳裏に13年経った今でも記憶を消さずに存在している。私はあの光景から何を得ることが出来るのか。私は出来ないのかもしれない。他の人には出来るのかもしれない。でも、他の人に出来なくて私にしか出来ないことあるだろう。得意不得意があるのは勿論承知している。でも、私もあの光景を見たからには何か得たいと思う。強く。海の中を、水の中を泳ぐ魚ではなくて、光の中を泳ぐ魚を見たいのかもしれない。無音の中の温かい光に包まれて漂う虹色の魚の鱗は光り続けている。いつまでも。本当はもっと他に伝えたいことがあったのか。自分の力で何かを生み出して、それを認めてほしいのだと思う。心の底から認めてほしい。沢山とは言わない。一人でも充分だ。そんな人はいないかな。誰にも認めてもらえない。誰にも話を聞いてもらえない。何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。何も思わない。